PMSが重い人ほど不足しやすい?知っておきたい6つの栄養素
PMSの症状には個人差がありますが、分子栄養学では「必要な栄養素が十分にあるか」が大切なポイントになります。
私たちの体では、ホルモンや神経伝達物質が毎日作られ、分解され、働いています。その一つひとつの過程では、ビタミンやミネラルなどの栄養素が欠かせません。
つまり、材料やサポート役となる栄養素が不足すると、ホルモンの変動にうまく対応できず、PMSの症状が強く現れる可能性があるのです。
今回は、特に意識したい6つの栄養素をご紹介します。
① マグネシウム ~「リラックスのミネラル」~
マグネシウムは300種類以上の酵素反応に関わる重要なミネラルです。
筋肉や神経の興奮を抑える働きがあり、不足するとイライラや不安、頭痛、筋肉の緊張などが起こりやすくなることがあります。
また、ストレスによって消費されやすいため、忙しい毎日を送る方ほど不足しやすい栄養素でもあります。
ナッツ類、海藻、大豆製品、ほうれん草などに多く含まれています。
② ビタミンB6 ~神経伝達物質を作るサポート役~
ビタミンB6は、セロトニンやドーパミン、GABAなどの神経伝達物質を作るために欠かせない栄養素です。
不足すると、気分の落ち込みやイライラ、不安感が強くなる可能性があります。
さらに、タンパク質の代謝にも必要なため、肉や魚をしっかり食べていても、ビタミンB6が不足していると十分に活用できません。
鶏むね肉、まぐろ、かつお、鮭、バナナなどに多く含まれています。
③ 鉄 ~貧血だけではない大切な役割~
鉄というと「貧血予防」のイメージがありますが、それだけではありません。
鉄は脳でセロトニンやドーパミンを作るためにも必要であり、エネルギーを生み出すミトコンドリアの働きにも深く関わっています。
月経のある女性は毎月鉄を失うため、不足しやすい栄養素です。
疲れやすい、集中できない、気分が落ち込みやすいという方は、鉄不足が関係している可能性もあります。
④ 亜鉛 ~ホルモンと免疫を支えるミネラル~
亜鉛は細胞の修復や免疫機能だけでなく、ホルモンの合成や働きにも関わっています。
また、味覚や食欲にも影響するため、不足すると食生活が乱れやすくなることもあります。
牡蠣、牛肉、豚レバー、卵などが良い供給源です。
⑤ ビタミンD ~「骨の栄養」だけではありません~
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける栄養素として知られていますが、近年では免疫や炎症の調整、神経機能にも関わることが分かってきました。
ビタミンDが不足している人ほど、気分の落ち込みやPMSの症状が強い傾向を示した研究も報告されています。
鮭やサバなどの魚、卵黄、きのこ類を食べることに加え、適度に日光を浴びることも大切です。
⑥ オメガ3脂肪酸 ~炎症を抑える良質な脂質~
PMSでは、体内の炎症が症状に関わっている可能性も考えられています。
青魚に多く含まれるEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸には、炎症を抑える働きが期待されています。
また、脳の細胞膜の材料にもなるため、神経伝達をスムーズにするうえでも重要です。
魚を食べる機会が少ない方は、意識して取り入れてみるとよいでしょう。
栄養素は「チーム」で働いている
ここまで6つの栄養素をご紹介しましたが、大切なのは「これだけ摂れば大丈夫」というものではないということです。
私たちの体では、タンパク質を材料に、ビタミンやミネラルが協力しながらホルモンや神経伝達物質を作っています。
そのため、一つの栄養素だけを増やすのではなく、日頃からバランスの良い食事を心がけることが、PMS改善への近道になります。
次回は、少し意外かもしれませんが、PMSと深く関わる「腸」と「肝臓」の働きについて解説します。女性ホルモンを上手に代謝するために、なぜこの2つの臓器が重要なのかを分子栄養学の視点から見ていきましょう。
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