放っておくと危険!インスリン抵抗性が招く病気
これまで、インスリンは私たちの体に欠かせないホルモンである一方、分泌されすぎる状態が続くことは健康にさまざまな影響を与えることをお伝えしてきました。
では、インスリンが何年も大量に分泌され続けると、体にはどのような変化が起こるのでしょうか。
そのキーワードが「インスリン抵抗性」です。
インスリンが効きにくくなる状態
インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞へ取り込ませるための「鍵」のような役割をしています。
健康な状態では、この鍵が細胞の鍵穴にはまり、ブドウ糖はスムーズに細胞へ取り込まれます。
しかし、何年もインスリンが大量に分泌され続けると、細胞はインスリンに反応しにくくなってしまいます。
これが「インスリン抵抗性」です。
鍵はあるのに鍵穴が反応しにくくなり、ブドウ糖が細胞へ入りづらくなる状態と考えると分かりやすいでしょう。
膵臓はさらに頑張り続ける
細胞がインスリンに反応しなくなると、血糖値は下がりにくくなります。
すると膵臓は、「もっとインスリンが必要だ」と判断し、これまで以上に多くのインスリンを分泌します。
この段階では、健康診断で血糖値が正常と言われる人も少なくありません。
しかし実際には、その血糖値を維持するために膵臓が無理をして働いている状態なのです。
やがて膵臓が疲弊して十分なインスリンを分泌できなくなると、血糖値が上昇し、2型糖尿病へと進行することがあります。
糖尿病だけではない
インスリン抵抗性の影響は、糖尿病だけにとどまりません。
余ったエネルギーは脂肪として蓄えられやすくなり、内臓脂肪の増加や脂肪肝につながります。
さらに、血液中には中性脂肪が増えやすくなり、メタボリックシンドロームや動脈硬化のリスクも高まります。
つまり、インスリン抵抗性はさまざまな生活習慣病の出発点とも言える存在なのです。
血糖値だけでは判断できない
「血糖値が正常だから安心」と思っている方も多いでしょう。
しかし、インスリン抵抗性は血糖値が正常な段階から始まっていることがあります。
体は膵臓が頑張って大量のインスリンを分泌することで、何とか血糖値を正常に保っているからです。
だからこそ、病気になってから対策するのではなく、日頃からインスリンを必要以上に分泌させない食生活や生活習慣を心がけることが大切です。
次回は、「実は高血圧の原因かも?インスリンと生活習慣病の深い関係」をテーマに、高血圧や動脈硬化とインスリンの意外な関係について詳しく解説します。
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