発酵食品のはなし【第5回】腸の乱れが『全身の炎症』を招く?腸管バリアと免疫の深い関係

query_builder 2026/08/21
発酵食品のはなし【第5回】腸の乱れが『全身の炎症』を招く?腸管バリアと免疫の深い関係

腸の乱れが『全身の炎症』を招く?腸管バリアと免疫の深い関係


「最近、疲れが抜けない」「なんとなく体調がすぐれない」。そんな不調と腸が関係している可能性があることをご存じでしょうか。

腸というと、食べ物を消化して栄養を吸収する場所というイメージがあります。しかし、腸にはもう一つ大切な役割があります。それが、体の「内側」と「外側」を分ける防御壁としての働きです。

発酵食品と健康を考えるうえでも、この「腸管バリア」は重要なキーワードになります。


腸は体を守る「関所」


腸の中には、食べ物だけでなく、細菌やその成分など、さまざまなものが存在しています。

それらを何でも体内へ取り込んでしまっては困ります。そこで腸の表面を覆う細胞は、必要な栄養素を取り込みながら、不要な物質の侵入を防ぐ「関所」のような役割を果たしています。

これが「腸管バリア」です。

さらに腸には免疫に関わる細胞も多く存在し、腸内環境と免疫システムは密接に関係しています。


腸管バリアが乱れるとどうなる?


腸管バリアの機能が低下すると、本来なら簡単には通過しない細菌由来の成分などが体内側へ移行しやすくなり、免疫反応を刺激する可能性があります。

そこで起こるのが「炎症」です。

炎症というと、赤く腫れたり熱を持ったりする状態を想像するかもしれません。しかし、体内では目立った症状を伴わない低度の炎症が長く続くこともあります。

こうした慢性的な炎症は、代謝異常をはじめ、さまざまな健康問題との関連が研究されています。


腸内細菌もバリアを支えている


前回までに紹介した腸内細菌も、腸管バリアと無関係ではありません。

例えば、腸内細菌が食物繊維などから作る「酪酸」は、大腸の細胞にとって重要なエネルギー源です。

つまり腸内細菌に適切な「エサ」を届けることは、腸内細菌を育てるだけでなく、その代謝産物を通して腸の環境を支えることにもつながります。

ここでも重要なのは、「発酵食品だけ食べればいい」という考え方ではありません。


発酵食品だけでは腸は整わない


納豆、味噌、ヨーグルト、ぬか漬けなどを食生活に取り入れることは、食事の多様性を高める一つの方法です。

しかし、発酵食品を食べながら、食物繊維が極端に少なく、加工食品や甘いものに偏った食生活を続けていては、腸内環境を考えた食事とはいえません。

発酵食品に加えて、野菜、海藻、きのこ類などを組み合わせ、タンパク質や脂質も含めて食事全体を整えることが大切です。

分子栄養学では、一つの栄養素や食品だけを見るのではなく、「消化吸収代謝細胞」というつながりで体を考えます。

発酵食品も同じです。

「健康に良いから食べる」の一歩先へ進み、腸内細菌が働きやすく、腸管バリアを維持しやすい食生活を考えること。それが、腸から全身の健康を支える第一歩になります。


次回は、さらに意外な「腸と脳」のつながりへ。発酵食品や腸内環境が、気分やストレスとどのように関係しているのか、「脳腸相関」の視点から見ていきます。


八戸市のパーソナルジム、クアルトではお腹の中のことに少しだけ目を向けてほしいと考えております。


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