食事で守る、未来の脳【第4回】脳はブドウ糖しか使えない?ケトン体というもう一つのエネルギー源

query_builder 2026/10/01
食事で守る、未来の脳【第4回】脳はブドウ糖しか使えない?ケトン体というもう一つのエネルギー源

【第4回】脳はブドウ糖しか使えない?ケトン体というもう一つのエネルギー源


「脳のエネルギー源はブドウ糖だから、糖質を減らすと頭が働かなくなる」

こんな話を聞いたことはありませんか?

確かにブドウ糖は、脳にとって重要なエネルギー源です。

しかし実は、私たちの脳にはブドウ糖以外にも利用できるエネルギー源があります。

それが「ケトン体」です。


ケトン体はどこから作られる?


糖質の摂取量が少なくなったり、食事をしない時間が長くなったりすると、体は蓄えている脂肪をエネルギーとして利用しやすくなります。

脂肪酸の一部は肝臓で代謝され、「ケトン体」が作られます。

ケトン体は血液によって全身へ運ばれ、脳にも到達します。

つまり人間には、糖質が十分に入ってこない状況でも、脂肪から作ったケトン体を脳のエネルギーとして利用する仕組みが備わっているのです。


なぜ脳とケトン体が注目されている?


前回、アルツハイマー病では脳の糖代謝やインスリンシグナルの変化が研究されていると紹介しました。

そこで注目されているのがケトン体です。

脳でブドウ糖を利用する能力が低下している場合でも、ケトン体の利用は比較的保たれている可能性があることから、ケトジェニック食やMCT(中鎖脂肪酸)などによってケトン体を増やす方法が研究されています。

ここが、糖質制限と脳の健康を考えるうえで非常に興味深いポイントです。


MCTオイルでもケトン体は作られる


ケトン体を作りやすい脂肪として知られているのがMCTです。

MCTは一般的な長鎖脂肪酸とは代謝経路が異なり、肝臓で比較的速やかに代謝される特徴があります。そのため、MCTを摂取すると血中のケトン体が増加します。

この特徴から、MCTによるケトン体の供給と認知機能との関係についても研究が行われています。

ただし、「MCTオイルを飲めば認知症を予防できる」という意味ではありません。

現時点では研究段階の部分も多く、認知症の予防・治療法として単純に置き換えることはできません。


「糖質を摂らないと脳が動かない」は正しい?


糖質を減らしても、血糖値がゼロになるわけではありません。

体には、乳酸やグリセロール、アミノ酸などから必要に応じてブドウ糖を作る「糖新生」という仕組みがあります。

さらにケトジェニック状態では、脳が必要とするエネルギーの一部をケトン体で補うことができます。

つまり、人間の体は「食事から入ってきた糖質だけで脳を動かしている」わけではないのです。


大切なのはエネルギーを選べる体


私たちの体には、状況に応じてブドウ糖や脂肪、ケトン体を利用する仕組みがあります。

糖質制限を考える意味も、単に「糖質は悪い、脂質は良い」と分けることではありません。

脳を含めた全身のエネルギー代謝をどう整えていくのか。

この視点を持つことが大切です。

そして、脳の健康を考えるうえでもう一つ知っておきたいのが、長期間の高血糖などと関係する「酸化」と「糖化」です。


次回は、「脳の老化を加速させる?酸化と糖化を知ろう」をテーマに、体の中で起こる“サビ”と“焦げ”について分かりやすく解説します。


八戸市のパーソナルジム、クアルトではケトジェニックダイエットアドバイザーが食事指導をいたします。


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